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月模擬砂(レゴリス・シミュラント)


  陶芸家 佐藤百合子
 
 

陶芸家 佐藤百合子
【さとうゆりこ】

15歳の時より陶芸を始め新たな土を求め2005年月の土と出会う。その後試行錯誤の末世界初の陶芸「月焼き」完成に至る。 また完成した月焼は月周回衛星が日本から打ち上げられる現代社会を陶芸的に表すと共に、保守最優先の伝統工芸世界に一石を投じる作品(現代美術)として高い評価を得る。

1997年、高校一年時に文部省運営の高校文化連盟主催の芸術展に初めて陶芸作品を応募。 「文化連盟賞」「奨励賞」を受賞。

1998年
同じく高校文化連盟より陶芸作品で「奨励賞」を受賞。

1997年
同じく高校文化連盟より最高の賞である「教育長賞」を受賞。交通安全ステッカー公募展にて「優秀賞」受賞。

2000年
高校卒業後デッサンを一年徹底して勉強する。

2001年
多摩美術大学入学

2002年
新横浜プリンスホテルと 町田エルシーホテルにて展示会を開く。

8月
汐留・アートマーケットフェスティバルにて作品展示即売。

2003年9月13日
筑波宇宙技術研究所にて「第二回・宇宙と芸術展」を開催。 個人作品と共同制作作品を展示。

10月16日、日本科学未来館で開かれた「第18回世界宇宙飛行士会議」に芸術部門の代表として参加。
「宇宙においての芸術の可能性を考えるディスカッション」をロシアの宇宙飛行士のフェルマツフスキー氏と行う。
11月・横浜コンチネンタルホテルにて 展示即売会を開催。

2004年1月
貿易センタービル内 JAXA−iにて「第三回・宇宙と芸術展」を一ヶ月に渡り開催。
8月23日宇宙技術研究所にて展示会。

2005年3月
青山・スパイラルにて卒業展示会。
2008年9月
第八回国際陶磁器展美濃コンペジションにて、美濃賞を受賞。

 

 

 続いては、陶芸家の佐藤百合子さんにお話を伺いました。

「日本の陶芸界は400年もの間同じようなことの繰り返しで、それが良いと言われている世界です。科学の最先端技術の国、日本に住んでいるのだから科学をアートに取り入れられないだろうか、そう考えている時に、月の砂の成分で器が焼けたらいいなと思ったのです。」長く美しい黒髪の大和撫子、佐藤さんの口から出た言葉は、意外にも陶芸界に新風を吹き込む言葉だった! 「新しい作品を通して陶芸界に新しい価値観を、そして陶芸を知らない人々にも陶芸の新しい試みがあることを知ってもらいたい」と語り手は、自ら手がけた【月焼き】とともに語り始めた。

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釉薬(ゆうやく)に月の模擬砂(レゴリス・シミュラント)の成分を使用した月焼きは一般的な陶芸材料とは全く違い、焼成の温度が2℃くらい違っても劇的な色の変化が起きてしまい制御が難しい。しかし「だからこそ研究のしがいもあり魅力的なんです。」と日頃の苦労を交えながら【月焼き】について語ってくれる佐藤さん。

同じ窯内で焼いていても器の置き場所が1段違っただけで、幅広い色と結晶を生み出すドラマが繰り広げられている。しかし取り出された作品からはそんな激しさは微塵も感じさせない、むしろ静けさすら感じさせる【月焼き】 。

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普段は、実験用として用いている<レゴリス・シミュラント(月模擬砂)>の新しい発想に思わず食い入るように手にとって見つめる吉田研究室の学生たち。(右写真は瀬名先生)

 

吉田 「月の砂や模擬砂は結局のところ溶岩とほぼ同じ成分なので、温度を上げすぎるとドロドロの溶岩に戻ってしまう。釉薬としては上手に溶けてほしいんだけど、温度が上がりすぎると溶岩流になってしまう。その境目を狙ったわずかな幅でいろいろな変化が起こるのかなと思います。あくまで直感的な意見ですけど…。」

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すでに月以外にも火星の模擬砂<マーズ・レゴリス・シミュラント>もあり、また<隕石焼き>という陶芸も存在しているとのこと。佐藤さんは今後<火星焼き>も手がけてみたいと抱負を語ってくれました。
学生 「探査機はやぶさ(2010年に帰還予定)が無事返ってきたら小惑星イトカワの成分で是非…」
吉田&瀬名 「イトカワ焼き!?(笑)」
このほか学生からは、「銀河系や太陽系の土で作った器シリーズの制作」への期待や「日頃研究用と思っていた砂(レゴリス・シミュラント)で絵を描いてみたい」などと今までとは違った角度から意見が交換されました。

 分野を超えた交流は互いにレゴリス・シミュラントを考える良い機会となったようです。 このトークショーは、今後、吉田研究室にどのような影響をもたらすのでしょうか。

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