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発電用ガスタービンのデジタルツインをスーパーコンピュータ上で実現 ~脱炭素デジタル社会の電力安定供給に貢献~

【本学研究者情報】

大学院情報科学研究科
教授 山本 悟

研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 発電用ガスタービンのリアル(物理)空間で起きる状態をサイバー(仮想)空間で再現するデジタルツイン(1)を東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピュータAOBA(2)上で実現しました。
  • 発電用ガスタービンの翼破損などに繋がる致命的な作動状態に至る作動条件を設計段階や運用前に短期間で予測できます。
  • 再生可能エネルギー普及に伴う電力負荷変動に対応する発電用ガスタービンの高性能・高効率・長寿命化に貢献できます。

【概要】

 電力の安定供給は持続可能社会にとって欠かせません。電力負荷変動に即応できる、次世代型の高性能・高効率・長寿命な発電用ガスタービンを実現するため、その作動や故障の条件を予測する研究が進んでいます。

大学院情報科学研究科の山本悟教授らの研究グループは、発電用ガスタービンの翼破損などに繋がる致命的な作動状態に至る作動条件を設計段階や運用前に短期間で予測することができる、デジタルツインプラットフォーム「デジタルツイン数値タービン」を、東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピュータAOBA上に構築しました。

同研究科の小林広明教授が代表を務める文部科学省次世代領域研究開発(注3)を通して研究開発されたデジタルツイン数値タービンは、発電用ガスタービンの様々な作動条件を設定した数十ケースの大規模全周計算を約1週間で完了させることができます。計算により得られたビックデータは機械学習による自己組織化で1つのマップ上に分類され、ガスタービンの異常な作動状態に至る作動条件をそのマップから瞬時に予測することができます。

本研究成果は6月29日(現地時間)、ガスタービン分野の国際会議、米国機械学会ASME Turbo Expo 2023で発表されました。

図. デジタルツイン数値タービンによる大規模全周計算、シミュレーションデータベース(SDB)、ならびに自己組織化マップの作成プロセス概要

【用語解説】

注1 デジタルツイン
実際に製造される製品や部品をバーチャル環境でテストするCAE(Computer Aided Engineering)テクノロジー

注2 スーパーコンピュータAOBA
東北大学サイバーサイエンスセンターに導入されたNECのSX-AuroraTSUBASAを中核とするベクトル型スーパーコンピュータ
参考:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/09/press20200928-04-AOBA.html

注3 文部科学省次世代領域研究開発
文部科学省次世代領域研究開発「量子アニーリングアシスト型次世代スーパーコンピューティング基盤の開発(2018年度-2022年度)」(研究代表 東北大学大学院情報科学研究科 小林広明教授)

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
教授 山本悟
TEL: (022)795-6988
E-mail: satoru.yamamoto*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科 
広報室 鹿野 絵里
TEL: (022)795-4529
E-mail: koho*is.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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