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派遣学生REPORT

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)(スイス ローザンヌ)
2012年9月28日 ~2012年11月1日(35日間)

本研修では,以前より共同研究を行っているスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)流体機械研究所(以下LHM)のMohamed Farhat 先生の研究室で、流体中で生じるキャビテーションの観測・解析を計画しました。本研究室では、これまでに3度、学生がLHMに赴いています。その先行研究により下流の溶存酸素量とキャビテーションによって発生した気泡には相関性があることがわかってきました。実験は、キャビテーションが起きる前と後で水中に含まれる溶存酸素を計測し、その差を算出、下流でサンプリングした気泡の体積と比較するというもの。結果はキャビテーションによる溶存酸素の減少量と発生した気泡の体積が一致し、キャビテーションにより発生した気泡の分だけ下流では溶存酸素が減少することが確認されました。しかし、キャビテーションの大きさを変化させたところ、溶存酸素は変わらないことがわかりました。私は、下流における気泡の状態を視覚的に観察することを目標としました。

今回の実験では、溶存酸素が一定である理由を説明するまでに至りませんでしたが、直径10μm以上の気泡であれば、鮮明に撮影することができたため、下流の気泡を観察することにより、上流のキャビテーションの状態を知ることができます。この点についてはLHMのメンバーも興味を示しており、今後下流を視覚的に観察することを検討してもらうことができました。

世界各国からの学生や研究者が集まるLHMに滞在し、自分の意見を主張する大切さを痛感しました。これは将来的に海外で仕事・研究に取り組む場合、非常に重要になってくることだと思われます。一方、初めての海外生活に不安を抱いていましたが、言葉の通じない環境でもストレスを感じることなく過ごせ、自信につながりました。

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