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派遣学生REPORT

National Physical Laboratoryイギリス国立物理学研究所(イギリス ロンドン)
2012年7月8日 ~2012年7月14日(7日間)

派遣先であるNational Physical Laboratory(以下NPL) は、イギリスの度量衡計測に関する国立研究所であり、米国NIST、独PTB、日本の産総研NMIJ に並ぶ世界トップレベルの計測専門の研究機関です。

私は、卒業研究の課題として「工具刃先形状の精密測定に関する研究」を掲げ、複雑かつ微小な幾何形状を有する超精密刃物の評価に向けた、全く新しい計測システムの構築に取り組んでいます。例えば高速輪郭切断工具(ロータリーダイカッター)は、全長数メートルという大型工具でありながら、刃先形状は数ナノメートルという非常に微小なものです。従来のレーザ変位センサを用いた刃先形状測定では、刃先の幅や高さ、鋭利さに関するパラメータの計測精度に課題がありました。NPLでは、前述に関連する研究を実施しており、私が目下検討している計測手法および原理、実験装置の構築方法などについて、NPLの研究者とディスカッションを行い、多くのアドバイスを受けました。またNPLが所有する超精密形状測定器の原理や使用方法、実験結果の説明を受けましたが、その中にあった三次元形状測定器は日本のメーカー製であり、我が国の技術力の高さを改めて認識できました。

英語は元々不得手であり、最初は会話することに多大な努力を要していましたが、なんとか意見や意志を伝えようと拙い英語を駆使しているうちに、コミュニケーションが図られていることが実感できました。この体験は、今後海外との交流や研究成果の受発信に大いに役立つものであると思いますし、最大限生かしていきたいと考えています。

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