拝啓 春分の候,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます.
日頃,東北大学機械系同窓会の活動に対しご高配を賜り厚く御礼申し上げます.
さて,平成24年度通常総会ならびに特別講演会を下記要領にて開催いたします.今回は,作家・元東北大学機械系特任教授の瀬名秀明氏が「未来を考えるという仕事について」語ります.
皆様お誘い合わせの上,ご参加下さいますようお願い申し上げます.
記
瀬名 秀明 氏
作家・元東北大学機械系特任教授
私は東北大学を卒業しました。『パラサイト・イヴ』を発表して小説家になりましたが、その後もずっと東北大学にはお世話になって参りました。とくに近年は機械工学の先生方とお話をさせていただく時間が増え、ロボット学に関する書籍を何冊も書く機会に恵まれました。2006年から2009年までは機械系特任教授という光栄な役職も仰せつかり、そこでの刺激的な日々はいまも本当に楽しく思い出されます。
私はふだん、科学技術に関するノンフィクションやSF小説を通じて、未来を考える仕事をしています。研究者や技術者の先生方とはまた違った未来の考え方かもしれませんが、フィクションと科学技術の想像力はつねに二重螺旋を描くように、互いに相補的な関係にありながら進んできました。今回の講演では鉄腕アトムを生み出した手塚治虫や、SFの「創造力」の可能性を拡げた小松左京らの作品などにも触れながら、明日へとつながるような話ができればと思っています。