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派遣学生REPORT

GEM4 Summer School/マサチューセッツ工科大学
(アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ)

2012年7月7日~2012年7月22日(16日間)

毎年、多くの犠牲者を出すマラリアは、世界で最も重篤な感染症のひとつといわれています。現在私は「マラリア感染赤血球の接着現象の計算力学解析」に取り組み、力学的な観点から(重症化の一因である微小循環障害を起こす接着現象の)計算力学モデルを作成し、その発生メカニズムを探求しています。私は工学部(機械知能・航空工学科)から医工学研究科への進学だったため、研究を深めていく上で生物学の知識の不足を感じていました。

GEM4(Global Enterprise for Micro-Mechanics and Molecular Medicine)は、2005年にマサチューセッツ工科大学において発足したMicro-Mechanics(微小レベルの力学)とMolecular Medicine(分子レベルの医学)についてのコンソーシアム(研究共同体)です。そこでの事業の一環として2006年から開催されているのが、大学院生や若手研究者を対象に講義や実験が行われるサマースクールです。私がこの度の海外渡航で受講した本スクールのテーマは「Cellular and Molecular Mechanics with a focus on Developmental Biology」。実験では、化学的、物理的刺激によって様々な細胞へ分化するマウスのES細胞を用い、発生生物学における力学的な解析を中心として、生物学と機械力学の融合分野について知見を得ることができました。また今後、自分の研究テーマに展開可能と思われる数学的アイデアやアプローチも見出すことができ、非常に有益な体験となりました。

ポスター発表では、現段階における研究成果をプレゼンテーションしました。私の研究について知っていただくよい機会になったと感じましたが、さらに詳細なディスカッションのためにも英語力の向上が欠かせないと痛感しました。

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中央が阿見。