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派遣学生REPORT

デンマーク工科大学(デンマーク リュンビュー)
2013年1月27日~2013年2月26日(31日間)

マイクロ射出成形は、トレンドマイクロ製品とミクロ構造化された形状表面を大量生産する重要な手法です。射出成形は金型に材料を注入することにより、部品を製造する工程で、金属やガラス、熱可塑性および熱硬化性ポリマーを含む材料に適用することができます。一方、製造工程における計測は、加工部品の品質管理に欠かせないステップです。既存の測定システムの中では、AFM (原子間力顕微鏡)とCMM(座標測定機)が超精密加工部品の表面形状測定に非常に適しています。私は、表面成形と形状測定という二つのテーマを研究の柱に掲げています。

今回の海外派遣先であるデンマーク工科大学は、世界最先端のマイクロ射出成形と精密計測技術を誇っています。機械工学科のHans Nørgaard Hansen教授、Leonardo De Chiffre教授は当該領域の専門家であり、豊富な理論蓄積と実践経験を有しておられます。今派遣では、Hansen教授とDe Chiffre教授が率いるグループと共に、ポリマー微細構造表面のマイクロ射出成形実験に取り組み、当研究室で開発したAMF-CMM測定装置を使用して微細構造表面の品質を評価しました。様々な取り組みを通じて、マイクロ製造に関する知識を深化させることができました。さらにはAFM-CMM測定システム技術を用いて表面微細構造を評価する際の有効性を体験しました。これらの成果は、目下の研究課題である微細構造面の超精密ダイヤモンド切削の向上につながっていくものと思われます。

滞在した一ヶ月間、Hansen教授とDe Chiffre教授の指導の下、現地の博士課程学生と一緒に討論・実験を行いました。多くの有意義な経験により、視野を広げ、専門知識を深め、海外での研究の雰囲気を体感することができました。また北欧諸国のひとつであるデンマークの文化に触れられたことは貴重な体験でした。今回の海外派遣は、高教授、吉田教授をはじめとする多くの方のご指導とご協力により実現できました。深く感謝の意を申し上げます。

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左から生活・研究全般を支援してくれたMichael Mischkot さん、Hansen教授、陳。