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派遣学生REPORT

ストラスブール大学
(フランス、ストラスブール)

2011年3月24日~2011年4月8日(16日間)

私は線虫を追跡するための画像処理手法と顕微鏡ステージ制御手法に関する研究を行っています。観察対象である線虫は神経機能を理解するためのモデル生物として広く用いられていますが、高倍率で観察すると相対的に線虫の動きが高速となり、しばしば視野外に出て観察の継続が困難になります。そこで高速なパターンマッチング処理とリアルタイムステージ制御技術が重要です。特に私は対象のパターンを認識する画像処理の高速化に取り組んでいます。今回の海外派遣では,モータ制御やコントローラのプログラミングなどの研究で知られるGangloff教授の研究室で、モータ制御の知識を学び、制御周期の安定化や振動制御技術を習得することを大きな目的としました。これより顕微鏡ステージに載せる線虫の挙動に与える影響を最小限に抑えることが期待できると考えていました。

実際にフランスでの生活に不慣れなところがあり、研究に専念できる期間は1週間ぐらいしかありませんでしたが、日本に戻るまで主な研究目的を達成しました。本プロジェクトでモータ制御の流れ、またパソコンと外部モータコントローラ間のデータ通信方法など、実際のコーディングで身に付けました。ハードウエアからソフトウェアまで制御システム全体の設計に関しても新たな認識を得ました。自分の研究にデータの読み取りや外部デバイスの駆動等にも活用できると考えています。

初めての海外渡航研修として、また地震の影響などによって、不慣れや準備不足なところが多くあります。しかし,その分の苦労も含めて、今回の旅でいろんなことを体験できて、今後の研究にとっても自分のこれからの人生にとっても、貴重な経験になると強く信じております。

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