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派遣学生REPORT

漢陽大学(韓国 ソウル)
2012年3月28日~2012年4月15 日(19 日間)

近年、航空機を用いた火星探査がISAS(宇宙科学研究所)/JAXA(宇宙航空研究開発機構)及び他大学との共同研究で提案されています。私は本共同研究の中で火星探査航空機の概念設計ならびに展開翼システムの検討を行っています。一方、今回受け入れてくださった漢陽大学の趙教授は空気力学がご専門であり、翼幅が2メートル程度のダクテッドファン推進の小型無人航空機を開発されています。趙教授が手掛けておられる機体は、私が研究で使用する機体と類似する部分が多くある上、小型無人航空機の製作及び自動制御について深い知識と経験を有していることから、当該領域のノウハウ獲得を主たる目的とし、渡韓しました。

期間中は、漢陽大学での無人航空機の設計法・製作法の習得のほか、ソウルで開催されたThe Korea Robot Aircraft Competition の見学、さらには趙研究室と共同で航空機を開発している建国大学のGUNACO Lab 訪問の機会を得、地上局などの運用方法に関する見聞を広めるとともに、無人航空機の状態取得・安定化制御・航法などの制御法の基礎を学ぶことができました。本派遣全体を通じて、韓国の研究者/学生が、無人航空機分野の高いレベルの技術を有していることを実感するとともに、それらの人々と知己を得、さらに良好なネットワークを築けたことは、今後、韓国からの学生受け入れや共同研究にも発展しうるものであると思われます。

国内における小型無人航空機の研究は緒に就いたばかりで、海外有識者や研究者とのコネクションが十全に築かれていないこともあり、派遣先の選定に困難が伴いました。そんな中、快く受け入れてくださった趙教授に心から感謝の意を表したいと思います。

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左が藤田、右は趙教授。