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派遣学生REPORT

カリフォルニア大学バークレー校 BSAC(Berkeley Sensor & Actuator Center)
(アメリカ合衆国 カリフォルニア州 バークレー)

2012年3月14日~2012年4月12日(30日間)

近年、グリーンエネルギー技術(原子力発電の代替になると期待されている地熱発電における、安全で効率的な開発のためのリアルタイムモニタリング技術、また、エンジンにおける燃焼効率を高める測定技術など)のためのセンサが求められています。これらのセンサは、高温・腐食性ガス・低S/N(信号に対する雑音の影響の大きい)という厳しい測定環境でも機能することが求められます。私はこのような環境に適用できるセンサの研究を行なっています。今回の渡航では、BSACのクリーンルーム施設(Nano-Lab)を使用し、これまでの研究で原理実証してきた確率型重力センサを、耐熱・耐腐食材料である炭化ケイ素(SiC)薄膜を用いたセンサ作製に挑戦しました。私が所属する研究室とは異なる半導体加工設備や装置利用者管理システムを持つNano-Labでの実験は刺激的で、毎日がとても楽しみでした。

海外へは国際学会等でしばしば訪れる機会がありますが、ある程度のまとまった期間を過ごすのは初めてであり、英語力にも自信がなかったため、研究や日常生活に不安がありました。幸いにも日本人研究員が滞在されており、現地生活の立ち上げの際には、色々とアドバイスを頂けました。現地では、研究関係者以外にも囲碁の友人もでき、語学は“必要に迫られること・楽しく話すこと”が上達の近道だということを身を持って知ることができました。また、英語によるコミュニケーションの難しさを実感した分、本学で共に研究をする留学生の心理や行動への配慮や思いやりの必要性を感じました。研究だけでなく、多くのことを体感し、思索した有意義な海外派遣となりました。

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BSACのNano-Labにて、1cm角にダイシングした6 inchウェハを手にして。