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派遣学生REPORT

イルメナウ工科大学(ドイツ イルメナウ)
2012年9月8日~2012年10月15日(38日間)

私は従来の非接触SPM(走査型顕微鏡)における安定性の問題を解決することを目的に、静電気力顕微鏡による微細形状測定の研究を行い、一連の取り組みを通じて大面積三次元微細構造を非接触で安定かつ高速に計測する顕微鏡システムの実現を目指しています。

派遣先のイルメナウ工科大学では、様々な顕微鏡を搭載して計測が可能な超精密ステージを開発しており、その位置決め分解能は世界トップレベル。また受入先のEberhard Manske教授は、NPMM(Nano Positioning and Measuring Machine)に関する研究の第一人者です。

渡航後は、Manske教授の提案により「ファイバープローブを用いた走査型白色干渉計」がNPMMを用いて実現可能かどうかについての検証を行う、ということをテーマにNPMMについて理解を深めるための各種実験を試みることにしました。一カ月という期間の中でステージとセンサを用いた校正・測定実験・評価という一連のプロセスをこなし、NPMMの制御方法の取得、NPMMとセンサを組み合わせた測定システムの構築、センサの校正とセンサを用いた三次元形状測定、実験を通したセンサの特性や問題点・今後の課題の発見…など多くの知見とスキルを習得しました。

英語力について、渡航前は特に不安を感じていませんでしたが、実際に技術的な話を全て英語で理解するのは予想以上に難しいことでした。しかし、不明な点を明確にして現地の学生やスタッフと積極的に議論を重ねることで徐々に内容が理解できるようになり、研究を進めていくことができました。技術面だけでなく、海外におけるコミュニケーションの重要性を実感するという貴重な経験が得られたと思います。

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左から生活・研究全般を支援してくれたNorbert Hoffmann さん、細渕、 Eberhard Manske教授