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派遣学生REPORT

ブラックロック砂漠
(アメリカ合衆国 ネバダ州)

2010年9月9日~2010年9月20日(12日間)

1999年から毎年ブラックロック砂漠で開催されている「A Rocket Launch for International Student Satellites」(以下ARLISS)に参加し、フィールド実験を行うことが今回の海外派遣の目的です。ARLISSは、学生が宇宙開発技術の基礎技術を学ぶためのプロジェクトであり、開発した小型移動ロボット(ローバー)をアマチュア・ロケットに乗せて、高度4000mまで打ち上げ、ロケットからの分離・放出の後、パラシュート降下、着地、自律走行といった、惑星探索を模擬した一連の実験に取り組むものです。私が参加したクラスは、ペイロード制限(φ146 mm×240mm 以内、重量は1050 g以内)があり、着地後に車輪径を拡大する展開型車輪の開発と、不整地(車の轍が大きな障害となる)での走行性向上が鍵となります。

打ち上げのチャンスは2回。1回目はプログラムミスにより空中でパラシュート分離を行ってしまい、ローバーが自由落下するというトラブルに見舞われました。小さくはないダメージでしたが夜を徹して修復と再調整をし、2回目の打ち上げに臨みました。GPSと電子コンパスを用いたナビゲーションシステムにより自律走行したローバーは、グランドターゲットから4mのところでゴール判定し停止。エントリーをしていたカムバック・コンペティション(ゴールまでの到達距離を競う)において優勝することができました。一定の成果は上げましたが、開発過程においては反省点や改善すべき点もあり、それらを今後の研究活動に活かしていきたいと思います。

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1回目のロケット打ち上げ。左から3番目が猪爪さん。