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派遣学生REPORT

EPFL - Lab. For Hydraulic Machines
スイス連邦工科大学ローザンヌ校 流体機械研究所(スイス ローザンヌ)

2011年9月30日~2011年11月1日(33 日間)

液体の速度が増加し、流体中の局所的な圧力がある臨界圧より低下すると、液相が気相に変化し、気泡が発生するキャビテーションという現象が発生します。キャビテーションは消滅時にきわめて高い圧力を発生させます。この特異な現象によって材料表面に壊食が生じたり、振動や騒音が発生したり、流体機械の性能が劣化するなどの問題が生じます。EPFL流体機械研究所には、世界でも最大級の高性能キャビテーションの試験装置、キャビテーション・タンネルが設置されており、種々の条件下で発生するキャビテーションを観察することが可能です。現在私は、大気圧で発生したプラズマ(大気圧プラズマ)を扱っており、それを医療機械へ応用することを研究の最終目標としています。そのためには微細な領域の観測技術が必要になりますが、派遣先では直径10-100 μm 程度の気泡を観察する実験が計画されており、これらの観測技術を習得することが、私自身の研究の発展においては重要になってきます。今回は、キャビテーションによる気泡の気体解析、キャビテーションの検出、キャビテーション発生初期の観察という3つの課題に取り組み、複数の知見、または可能性、改善点を見出すことができました。

今回は東日本大震災後の派遣だったため、EPFLの学生とは震災に関する話題、とりわけ今後のエネルギー計画について話し合う機会が多くありました。一人ひとりがはっきりとした意見と深い見識を持っており、学生の問題意識の高さには驚かされました。

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真ん中が岸本