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派遣学生REPORT

51st AIAA Aerospace Science Meetingならびにライス大学
(アメリカ合衆国テキサス州グレープバイン、同州ヒューストン)

2013年1月6日~2013月1月16日(11日間)

遷音速で飛行する現在の旅客機では、乱気流や突風のような外乱によって衝撃失速という現象が発生し、機体の安定性や乗り心地に悪影響を及ぼします。実際に運行されている遷音速旅客機の多くには、翼の上面にボルテックス・ジェネレータと呼ばれる小さな突起物が取り付けられており、これによって衝撃失速を緩和しています。しかし、ボルテックス・ジェネレータは翼の大きさに対して非常に小さく、その設計は未だに経験則に依存しています。私の研究では、ボルテックス・ジェネレータを取り付けた翼の数値解析によって設計最適化を実施し、経験を必要としない客観的な設計指針の提示を目的としています。今回の海外派遣では、51st AIAA Aerospace Science Meetingにて発表を行い、さらにライス大学を訪問して流体の数値解析と最適化について議論を交わしました。

国際会議では、ボルテックス・ジェネレータのパラメトリックスタディによって明らかとなった各設計パラメータと翼の空力特性の関係について発表し、各国の研究者や航空機メーカーの方から貴重な意見を頂きました。同会議は航空宇宙関連で最大規模を誇り、本研究に応用可能な解析手法について情報収集を行う絶好の機会となりました。

一方、ライス大学ではMeade教授の研究室を訪問し、研究室の学生も交えて研究発表会及び議論を行いました。Meade研究室では、ニューラルネットワークと数値流体力学の研究が盛んに行われており、私の実施する最適化には同様のニューラルネットワークを用いた近似関数生成手法を適用しています。意見交換によって、近似手法に改良を加えるアイデアを頂き、また同手法の数値流体力学への応用方法について議論しました。

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右が苗村。