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派遣学生REPORT

Fraunhofer-EMFT
(Fraunhofer Institute for Modular Solid State Technologiesフラウンホーファー研究機構)
(ドイツ ミュンヘン、ベルリン)

2010年11月14日~2010年11月21日(8日間)

私たちの研究室では、電子デバイスと光デバイスを集積化した三次元LSIである光電子集積三次元LSIを提案しています。これは高速かつ低電力な大規模並列処理に適するLSIであり、今後いっそう重要性が増す大規模科学計算の実現に向けて大きな可能性を持っています。私は三次元LSI内部に光デバイスを集積化する研究に取り組んでいます。今回訪れたフラウンホーファー研究機構は、LSIやMEMS等の異種デバイスを集積化する最先端ヘテロインテグレーション技術開発の欧州拠点です。こうした先進技術研究には莫大な費用を要しますが、ここでは国家レベルもしくは欧州連合など国際的枠組みのなかで推進されており、さらには産業界との強いパートナーシップのもと、成果に応じた資金を調達し、次なる研究テーマに挑むという循環が構築されています。見学したクリーンルームは、規模が大きく設備が充実している上に、各装置には専門家も配されるなど、高い技術力を背景に先駆的研究がなされているようでした。

滞在中に本研究機構で開催された米国電気電子学会(IEEE)主催の国際会議3DIC(International 3D System Integration Conference)では、光電子集積三次元LSIに必須となるSi基板を貫通する光配線に関する口頭発表を行いました。これは世界的にも未だ取り組まれていない分野であり、多くの興味と関心をお寄せいただきました。海外の専門家とのより深い研究交流のためにも、さらに高度な英語力が必要であると痛感させられました。

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