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派遣学生REPORT

University of Cambridge、Rolls Royce社(イギリス ケンブリッジ及びダービー)、
International Workshop on Simulation, Experiments and Optimization for the Design of the Future Aircraft (フランス パリ)

2012年2月11日~2012年3月1日(20日間)

国産の小型旅客機・三菱リージョナルジェット(MRJ)の試験機初飛行を来年(予定)に控えた今、ポストMRJを検討する時期に入っています。私の研究テーマは「実現性を重視した次世代環境適合型旅客機の概念設計」。近年、バイパス比(ターボファンエンジンにおいてコアエンジンに使用する空気流入量と、ファンのみを通過する空気流入量の比率)を大きくした新型のエンジンが燃費改善に大きく貢献しています。それを受けて、超高バイパス比エンジンの性能と実用化の可能性に関する探究を行っています。今回は新型エンジンの候補のひとつとして知られるオープンローターエンジンを研究しているケンブリッジ大学のWhittle Lab.に滞在し、インターネットなどでは集めにくい最新の研究動向の把握を通じて、自身の研究の向上に役立てることを目的としました。

受け入れ先のDr. Chez Hallの研究室では、エンジンの専門家として推進の観点からの設計に取り組んでいます。一方、私は空力的観点を中心としていたため、相互比較をし、どの点が改善可能か、理論的に整合性を欠くところはないかなどを議論し、多くのアドバイスをいただきました。またRolls Royce社を訪問し、エンジン開発戦略のために必要な機体の概念設計などを手掛けているDr. Mark Taylorにインタビュー。多くの示唆により、私が取り組む低次精度の概念設計の意義と利用法への理解が深まりました。また滞在中、フランス航空宇宙研究所ONERAと東北大学が共同開催したWork Shopにも参加する機会を得ました。密接な研究者コミュニティで交わされる質疑応答や意見交換は非常に有意義なものでした。

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Whittle LaboratoryのDr. Chez Hall(右)とともに。