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派遣学生REPORT

Ecole Central of de Lyonエコール・サントラル・ドゥ・リヨン
(フランス リヨン)

2012年3月1 日 ~ 2012年4月2日(33日間)

現在、ヒトの動作計測として、モーションキャプチャシステムや加速度・角速度センサを多数用いた計測方法などが主流となっています。しかし、リハビリテーションなどの状況下で、患者からもわかりやすい評価指標やリハビリ動作を掲示するためには、より簡便で安価な動作計測評価システムの開発が求められています。そこで私はSPE(Solid Polymer Electrolyte)を用いた柔軟な曲率センサを開発し、それを応用した動作計測評価システムに向けた研究を行なっています。これは言うなれば、貼るだけで関節角度が計測でき、ヒトの動作を評価することができるシステムです。

派遣先の研究室では、人工皮膚サンプルを用いた硬さ評価を行なう予定でしたが、試験機の故障(修理に2か月要する)によりテーマの変更を余儀なくされました。変更後のテーマは「圧縮空気による押し込みを用いた押し込み圧と変形面積の関係の調査」。これまでの研究では、対象に接触した状態で押し込みを行っていたため、同時に接触面積を計測することは困難でした。本研究では、押し込みを行なったままサンプルの変形を観察した初めての実験であり、これを応用することで接触面積と押し込み力の関係を明らかにすることができると考えています。前述の通り私は、柔軟な高分子センサを用いた動作計測システムの開発を目指していますが、それを触動作の評価などに応用することも可能であり、今回の海外派遣で取り組んだ研究と成果をもとに、より詳細な触知覚メカニズムの解明につなげられると考えています。

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左が大槻