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派遣学生REPORT

University of Adelaideアデレード大学(オーストラリア アデレード)
2013年1月27日~2013年2月26日(31日間)

近年、各種メカトロニクス機器の小型化、高精度化が進み、モバイル機器における光学素子の駆動ステージや微小部品の組み立て、加工、計測等に用いられるステージは、限られた領域内で多自由度駆動、数立方cm程度のサイズ、長ストローク駆動、高分解能などの性能が求められます。私は応用を前提としたうえで、その仕様を満たすための小型精密XYステージを開発しました。本ステージでは、駆動ユニット1つの構成は2本の圧電素子を直交に配置するため、多軸駆動を実現しました。しかしながら、高周波で駆動すると、圧電素子に入力された電圧波形からは大きく歪んだ変位波形が発生する場合があるので、ステージの速度は小さくなります。そこで駆動ユニットのモデルを検討し、変位波形のシミュレーションを行い、ステージの速度を向上させることを目的としました。

オーストラリアのアデレード大学Adelaide Robotics Research GroupのLu先生は、当該領域の専門家であり、豊富な理論蓄積と実践経験を有しておられます。今回は、Lu先生の提案により駆動ユニットのモデルを検討し、駆動ユニットの変位波形のシミュレーションを行いました。さらに、変位波形シミュレーションを用いて、理想的な変位波形を発生させる入力電圧を最適化しました。それにより変位波形の最適化によるステージ高速駆動化が確認できました。

滞在中は、アデレード大学の学生の方々とのディスカッションを通じ、本学とは異なる進学体制・研究体制なども見聞きしました。また、今回初めてオーストラリアを訪れてみて、日本とは全く異なる文化や自然に触れることができました。食生活も、研究生活スタイルも、休日の楽しみ方も、視野が広がったように思います。ぜひ多くの学生が海外大学・研究機関に滞在する機会を得、研究でも、異文化体験という面においても、貴重な経験を積んでほしいと思います。

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