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派遣学生REPORT

西安交通大学(中華人民共和国 西安)
2013年1月9日~2013年2月4日(27日間)

原子力発電所等における配管群に対する広域一括探傷技術として、電磁現象を利用した非破壊検査の一つであるマイクロ波探傷法の研究が進められています。過去の研究において細管を用いたマイクロ波探傷法の基礎技術の確立がなされましたが、口径増大化に伴う管内マイクロ波の複雑化など、実機適用には課題が山積しています。私は当該技術の一般配管適用を目的とした高度化研究に取り組んでおり、マイクロ波入射部を最適化することで倍程度の配管に対する適用性が示されました。しかし、さらなる大口径配管に対しては明瞭なきず信号を得るに至っていません。そこで様々な電磁非破壊検査技術の開発・高度化を活発に行っている西安交通大学・陳教授の研究室において、充実した試験環境や高水準の各種高度研究を学び、電磁非破壊検査についてより深い理解を得ることで、マイクロ波探傷法の実機適用に向けた自身の研究について、より多角的な視点から深い理解を得ることを目的に本海外派遣に参加させていただきました。

 渡航後は「低周波電磁場によるオーステナイト系ステンレス鋼の損傷検出手法」の詳細検討として2軸引張による疲労試験、渦電流法を用いた塑性域における非線形磁気特性の評価や「電磁超音波を用いたき裂探傷におけるマグネット対プローブの最適サイズ比の数値解析評価」等を中心に、低周波領域における各種電磁非破壊検査研究を実施しました。疲労試験においては検査領域の塑性域遷移前に支柱部が破断するなど任意のひずみを試験片に付与することができませんでしたが、本検査法のプロセスを一通り行うことで原理や評価手法、今後の課題などを学びました。各種研究を通して、き裂探傷のみならず材料特性評価などの電磁非破壊検査の新たな領域に触れ、多彩な検査技術の基礎・高度化に関する知識と技術を学ぶことを通して、自身の今後の研究につながる重要な知見を得ることが出来ました。

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陳教授(左)と。