本海外派遣では、1.チューリッヒ工科大学(以下ETH)において企画されているETH Summer School on Soft Robotics に参加する、2. スイス連邦工科大学ローザンヌ校（EPFL）ならびにETH の研究室を訪問する、3.ETH Summer School on Aerial Service Robot に参加する、という3つの主たる取り組みを通じ、私が担う手術シミュレーションの研究を深める技術・知見を得ることを目的に掲げました。

近年注目を集めている新領域soft robotics を対象としたETH Summer School on Soft Roboticsでは、ハプティックインタフェースの定量的評価方法を習得することができました。これは本研究室では採用していなかった手法であり、従来研究との比較や優位性の論理的主張が容易に行えるようになります。二つ目のサマースクールでは、最近盛んに研究が行われているAerial Service Robotの最先端動向に関する知識を得ることができました。

EPFL、ETHでは、計5研究室を訪問しました。中でも大きな収穫となったのが、ETH のComputer Vision Laboratoryから手術シミュレータのためのオープンソースプロジェクトSOFA Flamework の紹介を受けたことです。その開発環境を早速持参したコンピュータに構築し、使用可能な状態にしました。これによりシステム開発の効率化をはかることができ、私たち研究室の強みを持った特定の構成要素の洗練に集中することが可能になります。

多くの方々とのディスカッションや情報共有を通じて、ロボット研究者は新しい未来を提案しつつも、現実的な課題を認識しながらニーズを満たしうる技術移転を進めていくことが求められるのだと強く感じました。

Bio-Inspired Robotics Lab における研究発表 ( 発表者が佐瀬 )

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