Archive

派遣学生REPORT

フロリダ大学
(アメリカ合衆国フロリダ州ゲインズビル)

2011年2月17日~2011年3月4日(16日間)

空力騒音の代表的な例として「キャビティ流れ」があります。これは空洞(Cavity)の上を流れが通過する際、空洞部分から強い音が発生する現象で、列車の車両連結部やサンルーフ付き自動車などでみられます。現在、キャビティ流れの簡単な原理は提唱されていますが、その詳しいメカニズムは未だ明らかにされていません。私が取り組んでいるのは、圧力に対して感度のある蛍光塗料の一種「感圧塗料」を用いた非定常圧力変動計測技術の向上であり、この技術によりキャビティ内部の音場を可視化する研究を行っています。フロリダ大学は、キャビティ流れの先駆的研究で知られていますが、前述の研究に興味を示しており、技術・知識交流を行う運びとなりました。滞在中は、同大学が推進するピエゾアクチュエーターを用いたキャビティ音の能動制御の研究を行うとともに、感圧塗料を用いた計測結果(渡航前、東北大学の検定風洞で実施)に関する議論を重ね、理解を深めることができました。同大学とは、キャビティ流れの現象解明に向けた共同研究を継続していくこととなりました。

滞在中は、朝9時登校、17時には下校という毎日でした。日本ではどうしても研究室に留まる時間が長くなってしまいますが、短時間で集中して取り組むほうが効率的であるように思えました。また日本の大学のほうが技術力に優れ、高精度な実験ができていると感じる一方、工学的知識を駆使して議論する力は同大学の学生の方が勝っているような印象を受けました。さまざまな発見と収穫に満ちた“サンシャイン・ステート”フロリダでの日々でした。

#