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派遣学生REPORT

フランス国立中央理科学校リヨン校 トライボロジー研究所(フランス リヨン)
2013年1月29日~2013年2月10日(13日間)

ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、水素と炭素からなる硬質な炭素膜です。水素の含有量と炭素の結晶状態によって様々な特性を持つことが知られており、また添加物を加えることで新たな性質を示すこともあります。そのなかで、金属を含むDLC膜は導電性を持ち、センサとしての応用が期待されています。これまでにも繰り返し歪みに対して電気抵抗が変化することが知られていましたが、膜内部の構造変化については未だ明らかにされていませんでした。

本海外派遣では、より詳細に膜組織を評価するため、フランス国立中央理科学校リヨン校トライボロジー研究所(LTDS, ECL)において、動的インデンテーション試験を行い、有用な結果を得ることが出来ました。滞在中は、初日からちょっとしたハプニングもありましたが、多方面からの支援により、無事に連続剛性測定法を用いた動的インデンテーション試験ならびにその解析を行うことが出来ました。また、実験を指導して頂いたJulien Fontaine博士とは、実験結果についての議論だけでなく今後の研究方針や材料評価の考え方もご教授頂き大変感謝しております。今後は実験で得られた成果を基に、さらに考察を深めていきたいと考えています。

日常生活においてあまり苦労はありませんでしたが、英語での議論や留学中の日本人学生の姿勢などには大変刺激を受け、自分の語学力のなさを痛感しました。このような経験を通じて、各国の研究者と対等に議論するためには語学力だけでなく、タフな精神力も身に着けることが重要であると感じました。

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右から二番目がFontaine博士、三番目が高橋。