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派遣学生REPORT

カーネギーメロン大学 ロボティクス研究所
(米国 ピッツバーグ)

2012年 2月7日 ~ 2012年3月9日(32日間)

私はカメラから画像を入力して人物の顔と表情をリアルタイムに検出する手法に関する研究を行っています。顔認識技術はデジカメなど様々な応用が行われていますが、顔を正面に向けて約±30°の角度を超えて振り向いた顔をリアルタイムで安定して計測できる手法は未だ存在していません。私は±90°でも計測できる手法を、米国カーネギーメロン大学ロボティクス研究所(以下CMU)及びピッツバーグ大学と共同で取り組んでいます。今回の渡航の目的として1.お互いの研究パートを統合してソフトウェアに組み込み調整を行う、2.来年3月に投稿を予定している論文を完成させる、という二つの目的を掲げました。

本派遣においては、正面顔でも横顔でも、顔を大きく動かしても安定して検出できる手法を研究し、プログラムに実装。次に、顔の向きにより顔の見えが変化しても正確に特徴点を抽出できる、マルチポーズ特徴検出器を実装して、多様な向きに対するフェイスアライメント(人物顔の向きの推定と目や口鼻など各部位の位置決め)を実現しました。そして提案手法の実装と評価により、カメラを顔の正面に置いたとき、±90 度の角度範囲でアライメントが可能であることを確認しました。本研究はCMUの研究者たちと論文にまとめ、ECCV(European Conference on Computer Vision)2012に投稿しました。

顔の輪郭を用いた高度な顔の姿勢の推定は、非常に効果的で新規的な手法です。今後は、この特性をさらに深く調べて、多角的視野から検証し、博士論文にまとめていきます。

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