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派遣学生REPORT

Institute of Space Systems(IRS), University of Stuttgart
(ドイツ、シュトゥットガルト)

2011年9月30日~2011年10月31日(32日間)

私は、博士前期課程の研究において超小型人工衛星RISING(雷神)-2 の開発に携わり、その衛星構体システムの設計・開発を行い、フライトモデルを完成させることに成功しました。博士後期課程では超小型人工衛星の「ヴァーチャルラピッドプロトタイピング」手法の構築に取り組んでいます。これは衛星の初期設計段階からハードウェアの組立て・試験、さらには打ち上げ後の運用に至るまでの一連の作業を支援するツール群であり、実際にハードウェアの試作を伴わずとも、ソフトウェア技術に支援された架空空間で衛星の機能モデルを構築でき、性能の評価が行えるというものです。

今回の海外派遣では①衛星の軌道上リアルタイムシミュレータならびにOBC(On Board Computer)シミュレータの閉ループ環境構築技術、②OBC 実機を組み込んだハードウェア・イン・ザ・ループ環境構築技術、これらの習得を研究計画に掲げました。費やせる時間が限られていることもあり、衛星搭載機器であるGPS レシーバーからのデータ受信コードの開発を行い、前記のシミュレータとOBC 間のシミュレーション環境構築技術に関して理解する、という方針になりましたが、コード開発は完了したものの、OBC 実装ソフトウェアの一部に不具合があったため、本タスクは未完に終わってしまいました。しかしながら東北大学と同様に小型衛星開発を行っているIRSの研究開発の場に身を置き、研究者たちとの議論や衛星構体の製造体験を通じて、今後本学で開発する予定のシミュレーション環境のイメージをより具体化することができました。

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右が冨岡。