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派遣学生REPORT

Maxeler Technologies Ltd.(イギリス ロンドン)
2011年9月25日~2011年10月22日(28日間)

現在、計算機の性能を決定する要因のひとつに、メモリと計算回路の間における帯域が挙げられます。計算回路が高性能であっても、メモリとの通信が遅ければ全体の性能は低下します。特に近年では、計算回路の性能向上に比して、メモリへのアクセス性能の向上が進展していないという問題もあります。これに対して、私たち研究室では再構成可能なデバイスであるFPGA (Field Programmable Gate Array)上にデータ圧縮ハードウェアを実装し、メモリと計算回路の間の通信データを可逆圧縮することにより、実質的な帯域を向上させる研究を行っています。今回の海外派遣では、当該分野において最先端の設計技術を有するMaxeler Technologies社が開発したストリーム型FPGAアクセラレータ上にデータ圧縮ハードウェアを実装し、専用計算機の性能向上評価に取り組むことを目標としました。

最初に行ったのは、データ圧縮ハードウェアの開発に必要な実装ツールMaxCompilerの使用法の習得です。Maxeler社の開発環境は、独自に開発されたものが多く、それらの機能や操作法を学ぶために当初の計画よりも長い時間を要しました。実装を目指していたハードウェアのうち、データ圧縮器はシミュレーションを行い、適切に圧縮されているのを確認できましたが、データ展開器に関しては、残念ながら時間が足りず実装には至りませんでした。非常に悔しく思いましたが、今後の研究を推進させる重要な知見を得ることができました。海外派遣でしか手にすることのできなかった収穫だと思います。

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