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派遣学生REPORT

Space Flight Technology Department, German Space Operations Center, Head of Department
ドイツ航空宇宙センターDLR(ドイツ)

2011年7月31日~2011年8月28日( 29 日間)

故障などにより運用を停止した人工衛星の修理や廃棄などの作業を軌道上サービスといいます。対象となるターゲット衛星は大きく「協力的」「非協力的」に分けられますが、安定的に姿勢が制御されず、被捕獲用の把持機構を有していない非協力的ターゲットの捕獲が困難を伴います。私はこれまで衛星捕獲時の反発係数に着目したマニピュレータのインピーダンス制御の研究に取り組んできました。軌道上における捕獲技術の確立には、地上試験による検証が必要不可欠です。そこで今回の海外研修では、DLR のSpace Flight Technology Department においてEuropean Proximity Operations Simulator (EPOS)を用いた軌道上衛星捕獲シミュレーションを行うことを目的としました。残念ながらEPOS システムの原因不明の不具合により、2日間の実験期間で取得できたデータは1回分だけでしたが、接触制御を加えることでエネルギー増大を見かけ上抑えることができることがわかりました。また渡航先のGerman Space Operations Centerから要望のあった、接触ダイナミクスに関する知見の提供も行いました。

私は学部時代の4年間をアメリカで過ごし、これまで幾度となく海外へ渡航していますが、行く先々で新たな発見があるという点で、海外経験は重要だと改めて感じました。世界各国から優秀な研究者が集まるDLRでの滞在を通じて得られた経験や知見、そして人脈は、今後の研究活動に確実に資するものと思います。

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