ブラックロック砂漠
(アメリカ合衆国ネバダ州)
2011年9月10 日~2011年9月18日(9日間)
車輪型移動ロボットが不整地を走行する場合、車輪と地面の間に生ずるすべりが大きく、車輪の回転情報から車体位置を推定することが困難です。そこで私は、非接触型の位置計測センサとして、レーザーを地面に照射し、その反射光を光学式マウス用センサから読み取ることで、車輪のすべりに影響されずに位置推定を行う研究に取り組んでいます。一方、私が所属する研究室では2002年よりARLISS Come back Competitionに参画し、砂漠という広大な不整地環境における移動ロボットの走行実験を行ってきました。走行機構に焦点を当てた前年度までは、搭載したセンサは最小限だったため(GPSセンサによる位置推定のみ)、走行制御が難しい状況にありました。そこで今回は、私が取り組む非接触型の位置計測センサを搭載し、不整地でも安定した走行を目指しました。
開発した小型移動ロボットは、本競技において十分な性能を発揮し、打ち上げロケットから分離後にパラシュートを展開、地面着地後にパラシュートを切り離し、ゴールまで走行するといった一連の動作をすべて自立して行うことができました(計2回のチャレンジの内1回はパラシュート分離に失敗)。搭載した移動量計測装置は、レーザー照射点に太陽光が当たらないよう、ひさしをつけるなどの対策を講ずれば、屋外環境において移動誤差4〔%〕ほどで機能することがわかりました。可搬性、走行性能、耐衝撃性能に優れる小型移動ロボットは、火山探査などへの応用が期待されます。
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