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派遣学生REPORT

Harvard-MIT Division of Health Sciences and Technology:HST
(アメリカ合衆国 ボストン、ケンブリッジ)

2010年9月5日~2010年9月20日(16日間)

電極触媒として酵素を利用する「バイオ燃料電池」は、極めて安全な小型電源として、ヘルスケアモニタリング等に用いる体内埋め込み型デバイス等、高い安全性が要求されるデバイスへの応用が期待されています。バイオ燃料電池の欠点ともいえる“寿命と出力”を改善しつつ,小型電源としての特性を損なわない利用形態として、私たちはマイクロ流路を用いたパッケージング手法を採用しています。研究展開の前提としては生体適合性が第一に挙げられるため、その基板材料として生体由来の材料であり、かつ燃料溶液や電解質を保持しつつ加工が可能な「ハイドロゲル」に注目しています。今回訪れたのは、マイクロメートルオーダーでのパターニング技術によるハイドロゲルを用いた細胞挙動の制御研究で世界をリードするAli Khademhosseini博士の研究室。そこで最先端の技術に触れ、ハイドロゲルの微細加工に関する知見を得ることが本海外派遣の目的です。

滞在中はセミナーやミーティングへの参加を通じ、マイクロファブリケーションのためのハイドロゲルに必要な諸特性について情報収集を行いました。実際に手を動かし習得した世界最高峰の実験技術は、私が取り組むデバイス化の推進に転化していきたいと考えています。またバイオ燃料電池に関するプレゼンテーションを行いましたが、これは英語によるコミュニケーション能力を試すよい機会となりました。世界中から優秀な人材が集まり苛烈な競争を繰り広げるHSTのエネルギッシュで志気の高い雰囲気は、日本の大学にはあまり見られないものです。大きな刺激を受けました。

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