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派遣学生REPORT

ハーバード大学ヴィース研究所(アメリカ合衆国 ボストン)
2012年11月1日~2012年11月7日(7日間)

ハーバード大学主催で昨年から開催されている国際生体分子デザインコンテスト「BIOMOD: International Biomolecular Design Contest」は、DNA などの生体分子を用いたプロジェクトを考案する学部生中心の世界的な競技大会です。東北大のTeam Sendaiは、村田・野村研究室の3、4 年生が主力となり、特に私たち3 年生がアイデアを練る役割を担いました。この挑戦は、今後の卒業研究に向け、基礎知識を養い、多くのテクニックを実践できる利点があります。また、チームワークや英語によるプレゼンが要求されるので、学生メンバーたちの実力を試し、スキルアップするよい機会にもなると考えられました。

作成したCell Gate は、設計可能なナノスケールの分子であるDNA を使った人工チャネルです。今回のプロジェクトではDNA オリガミ(DNA を用いて2 次元の構造体を作製する技術)とコレステロールを使ってチャネルを作製することが可能であることが確認できました。Team Sendai は最優秀賞であるGrand Prize を獲得、その他にもBest Youtube 賞、Best Presentation 賞、Audience Favorite 賞を受賞し、全5 部門中Best wiki 賞を除く4 部門を制覇する形となりました。

今回のプロジェクトでは時間の都合上、その自由度に関して十分な検証をすることはできませんでしたが、今よりもさらに最適な設計が存在する可能性があります。それを突き詰めていけば、ドラッグデリバリーシステムをはじめとした医療などへの応用も視野に入ってきます。分子ロボット分野の研究開発はまだ始まったばかりですが、私たちが開発したCell Gate はロボットの複雑化・機能化・応用を進めていく上でのひとつの礎となったといえます。

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後列、右から二番目が吉澤。