~祝辞:令和4年3月卒業・修了する学生諸君へ~

祝辞

 令和4年3月に機械知能・航空工学科および機械系専攻を卒業・修了される皆様、卒業・修了おめでとうございます。本来であれば、萩ホールにて機械系学位記伝達式を開催し学位記をお渡しする予定でしたが、引き続き新型コロナウイルスの影響が懸念されるため中止とさせていただきました。三年続けて開催できない状況になったことを大変残念に思っております。何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
 伝達式での挨拶に代わって、機械系教職員を代表してこの場で祝辞を述べさせていただきます。

 機械知能・航空工学科を卒業する諸君、卒業おめでとうございます。学部4年間の本学での学びの成果として、今日の日があります。川内キャンパス、青葉山キャンパスでの講義はもちろん、サークルやアルバイト先でも大きな学びの機会があったと思います。諸君が3年生に進級するタイミングで、新型コロナウイルス感染症というこれまでにない状況に遭遇し、研究室に配属されてからの生活は、いろいろな面で想定外のものとなってしまったと思います。特に研究室の指導教員や、同級生、先輩、後輩とのつながりがオンライン、すなわちバーチャルなものとなり、不便や困難を経験されたことと思います。しかしながら、今日ここに卒業の日を迎えることができたのは、諸君がこれらを乗り越えた証であり、今後の人生の糧として前向きにとらえていただければと思います。学生諸君の多くは大学院修士課程に進学します。修士課程では、自ら学び、課題を解決する姿勢が求められます。そもそも大学や大学院での研究は、まだ誰も答えを知らない課題へ挑戦していくものであります。ときには失敗もあります。しかし、失敗にめげずに、そこからより多くのことを学ぶという、たくましさを身につけて前進されることを願っています。

 大学院機械系専攻修士課程を修了する諸君、修了おめでとうございます。研究活動を中心とした学生生活で多くのことを学んだ2年間であったと思います。特に、今年度修了の諸君は、大学院入学時点から、ガイダンスや講義がオンラインで行われるという、異常事態の中での修学となりました。修士研究の重要な時期に思うように研究室に行くことができず、苦労もあったかと思います。それらを乗り越えて今日の日を迎えたことに敬意を表したいと思います。
 多くの諸君はこれから企業等に勤務して社会に出ていきます。新型感染症に限らず、さまざまな要因で社会環境や企業環境は目まぐるしく変化していきます。そのなかで、大学以上に決められた期限・時間内で成果を出すことが求められます。大学院での研究内容が直接的に業務と関連する学生は少ないかもしれませんが、課題に向き合う姿勢やそれを解決するための考え方などは、修士研究のときに学んだことそのものだと思います。諸君の活躍を信じています。

 博士課程を修了する諸君、研究者としてのライセンスを取得したことに敬意と祝意を表します。コロナ環境下において博士論文の執筆をなしとげられたことに心から敬意を表します。多くの困難があったのではないかと思いますが、それを乗り越えて今日があることに誇りをもってください。学術的な研究課題だけではなく、人と人との対面でのコミュニケーションの重要性を再認識した3年間であったのではないかと思います。一方で、インターネットという手段を通して世界中と繋がることができるという、メリットも感じられたのではないかと思います。ぜひこれらの経験を活かして、グローバルに活躍することを目指していただければと思います。アカデミアはもちろんですが、企業においても技術者・研究者として世界レベルで活躍するためには博士号が重要です。その価値と責任を自覚しつつ、社会のあらゆるセクターのリーダーとして活躍されることを願っています。

 卒業・修了される諸君に、あらためまして祝意を表します。ご両親をはじめとして諸君を支えてくれた方々への感謝の気持ちを持っていただければと思います。 機械系で、東北大学で、仙台で学んだことを胸に、我が国、そして世界の舞台で活躍してくれることを祈念して祝辞とさせていただきます。

令和4年3月25日

機械知能・航空工学科長 
機械系主任専攻長 

吉田 和哉