ものづくりのフロンティアをゆく!

自律探査ロボットとフィールド実験

海外研修
ARLISSカムバック・コンペティション
2008年9月15日〜9月19日

さぁ、深宇宙へ。
わが国の宇宙開発ミッションと結びつく
ロボットの研究開発に取り組む。


図1 シーケンス

図1 シーケンス
1.ペイロードをロケットに搭載して打ち上げる。
2.上空4000メートルに到達した後、ペイロードを放出する。
3.放出を判定してパラシュートを開き、減速した後に地表に着地する。
4.地表到達後、着地判定をしてパラシュートを分離する。
5.パラシュート分離後、ペイロードに搭載されたGPS情報を基にゴールへ向かう。
6.ゴール付近において、判定をして停止する。

上位常連チームとしてのプライドをかけ、砂漠を舞台に競い合う。

 ARLISS とは、大学生を主としたモデルロケット打上げ、ならびに探査ロボット実験。そのなかの「カムバック・コンペティション」は、350g 級(CanSat Class)もしくは 1kg 級(Open Class)のペイロード(衛星モデル)を、米国のアマチュアロケット協会の固体ロケットに搭載して打ち上げ、上空 4000メートルで放出。パラシュート降下中に飛行制御を行う Fly-back 、軟着陸後に地上を走行する Run-back、いずれかのアプローチで、地上にあらかじめ設けられたゴールへの到達距離を競うものです。同研究室が2002年から挑戦を続けるRun-backのシーケンスは、図1の通りです。 ペイロード(以下、ローバー)は、①10Gにも達するロケットの打ち上げ加速度と着地での衝撃に耐え、②パラシュートを自律的に切り離し、③完全に自律でゴールに到達しなければなりません。制御履歴のデータは残すことが義務付けられており、位置を認識するGPSは不可欠。その他、制御用アクチュエータ(走行用モーター)、制御用計算機、バッテリー、パラシュートなど全ての装備を載せ、全重量1050 グラム(Open Class)以内に収めなければなりません。さらに、直径146ミリメートル、全長240ミリメートルという大きさの制限もあります。このミッションを達成するためには相当のエンジニアリング・スキルが必要になります。< br /> 参加4年目の2005年度には、ゴールまでの距離が全チーム中、最短の222メートルで1位。2006年には1台がゴールして優勝、もう1台もゴールまで44mに到達と、1位・2位を独占。2007年度は惜しくもゴールがならなかったものの(パラシュートの紐が車輪に絡まる)、時速9キロメートルと速度を大幅に向上させることに成功しました。もはや両研究室の“伝統”、そして先輩から後輩への “技術継承”ともいえるARLISS参戦。2008年度は「機械工学フロンティア」の一環として取り組むこととなりました。

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