ものづくりのフロンティアをゆく!

韓国機械研究院(大韓民国・大田広域市)

世界のどこでも
研究できる場があれば、
そこが私のホームグラウンド。

大学院に進学し、研究にまい進していくなかで、いつか必ず「世界」と対峙することになる。本学なら当たり前のことだ。研究のために日本を飛び出していくこともあるだろう。真理を追究する孤高の営みを、言語・文化・生活習慣の異なる国や地域で行わなければならないことになったら、ちょっとつらいものがあるかもしれない。しかし、研究できる喜びが、そんな不安やストレスを凌駕する場合もある。何事もポジティブにとらえることで、海外留学の風景も変わってくる…李さんのケースを見てみたい。

大学院工学研究科 ナノメカニクス専攻
高・荒井研究室
李 貞徹(Lee Jung Chul)さん 博士課程前期2年


韓国機械研究院全景

写真1 韓国機械研究院全景(ホームページより)。

母国韓国の研究機関KIMMとの共同研究を担う。

 難しい研究内容の話題でも、会話上の問題は全くありません。「韓国語と日本語は、言語形態や文法が類似しているので、習得が楽なのです」と謙遜する外国人留学生の李さん。漢字文化圏だから共通する単語も多い…というものの、2007年3月から本格的に日本語を学び始めたと聞けば、驚きの念を禁じ得ません。「研究はディスカッションしながら進めなければならないので、言葉の習得は基本中の基本です」。
 留学のきっかけは、担当教官の勧め。「韓国の大学では機械工学を専攻していました。担当の先生が東北大学で学ばれた経験があり、学理を究めたいなら、留学してみないかと勧めてくださったのです。修士課程から入学しましたが、博士課程まで修める予定で来日しました」。6カ月間の研究期間を経て、2008年10月から籍を置き、高教授(ナノメカニクス専攻)の下で研究に取り組み始めました。
 そして、李さんの入学と時を同じくして拍車がかかったのが、韓国機械研究院(以下KIMM)※1との共同研究。政府の研究機関として、主に機械工学の最先端分野を担うKIMMとはそれまでも研究交流が行われてきた経緯がありますが、李さんという人材を得、さらに推進されることとなりました。


※1
Korea Institute of Machinery & Materials(KIMM)。1976年 設立。ナノメカニクス、エコマシナリー、機械知能、エネルギーシステムなど次世代技術の開発を担う国の研究機関。そのアクティビティーは、国家的な技術開発戦略と強く結びついている。

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