リベロ・マルティネス・カルロス・アレクシスさん (プエルトリコ出身)
東北大学大学院工学研究科
ナノメカニクス専攻 足立研究室
博士前期課程(修士課程)1年
※所属・学年、内容は取材当時(2015年5月)のものです。

自動車を通じて知った日本の高度な科学技術力。
憧れ続けた地は、やがて学びと研究の
ホームグラウンドになりました。

先端研究で未来を展望する
「東北大学機械系」への留学を視野に。

父が自動車修理の仕事をしていた関係で、小さい頃から世界中の様々な車種に親しんできました。中でも日本車の技術や品質が群を抜いて素晴らしく、ぜひ日本でエンジリアリングを学びたいと志すようになりました。数ある大学の中でも、東北大学の機械系が先進的かつ独創的な研究を展開していると聞き、本学を目指しました。
途中、米国や韓国の大学に編入した時期もありましたが、本学の留学生向けのプログラム(JYPE→IMAC-U→ IMAC-G)で一貫した学びと研究を深めてきました。学部の単位は、英語の授業だけで満たすことができたので、その点では言葉の障壁はありませんでしたが、正式な日本語学習の機会がなかったので、日常生活の中で少しずつ習得していきました。これは日本語のことわざで“習うより慣れろ”と言うそうですね。でも、漢字はまだまだ難しいです(笑)。もちろん文化が異なりますから、来日当初は少し戸惑うこともありましたが、私のモットーは「何事も柔軟に捉え、受け止める。母国とは異なる習慣や生活スタイルを楽しむ姿勢が大切だと思っています。

SAWモータの研究成果・知見を論文に編み、
世界に向けて発信!

卒業研究から引き続きテーマに掲げているのがSAWモータ(surface acoustic wave;弾性表面波)です。これはトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑の実際問題に関する科学技術)の知見を基盤とした摩擦駆動アクチュエータ。私は設計から組み立て、実験までを担い、メカニズムを明らかにしようとしていますが、トライアル&エラーの連続です。先行研究を調べたり、自分なりのアイディアで様々なアプローチを考えたりし、仮説通りの結果が出た時は、心から嬉しく、苦労が報われる思いがします。足立研究室では、SAWモータに関するこれまでの研究成果を論文にまとめ、学術雑誌に投稿する予定ですが、私がその総括役を担当することになりました。責任重大です、がんばります。

上岡 正也さん
(広島県・広島大学附属高等学校出身)
東北大学大学院 工学研究科
ロボティクス専攻 小菅・衣川研究室/荒井研究室
博士課程前期2年

小さい頃に体験した“ものづくり”が原点。
身近であること、社会や暮らしにつながって
いること、が私の研究開発の出発点です。

将来の道を拓く、充実したキャリアサポートに
支えられ、就職活動を展開。

小学生の頃、DIYショップで体験した木製のベンチづくりが思いのほか楽しく、将来は大工になりたいなと思っていました。高校生になると“最先端のものづくりを学びたい”と考えるようになり、工学部を目指すように。数ある大学の中から本学を選択した理由のひとつは、「キャリアサポート(就職支援)が手厚い」というアンケート結果を目にしたからで、就活時期を迎えている今、そのデータに間違いはなかったと強く実感しています。
 また、高校3年の時に参加した本学科のオープンキャンパスで、ロボットを間近で見て触って、「生活が便利になりそうだ」と感動したことも志望した理由です。この“身近な技術”であることは私にとって非常に重要で、社会の出口に近い実用/応用的な研究開発を手掛けたいと思う出発点になっています。

企業との共同研究プロジェクトに参画。
タフな現場で鍛えられた実践力。

学部4年生から、大手メーカーとの共同/協働研究プロジェクトに参画し、工場の組み立てラインの作業者補助に向けたシステムならびにロボット研究開発に取り組んでいます。企業側からは、作業時間・場所・ミスなどを削減し、ひいてはコスト低減につなげていきたいというシビアな要請があります。良いアイデアが実現できるとは限らず、予算や動線などの兼ね合いで、ボツになるケースも多々あります。現場が相手なので、緊張感も大きいですね。プロジェクトが走り始めた頃、先方の担当者から「学生気分では困る」と言われたことは忘れられません。
ロボットは、見た目には華のある研究開発ですが、その9割は地味で地道な試みの積み重ねです。しかし、現場に実装される達成感と醍醐味はその苦労を補って余りあるものがあります。
将来的には研究開発をマネジメントするような仕事に携わりたいと思っています。もちろん海外勤務も視野に入れて。研究室にいる留学生とは日常的に英語で会話して、コミュニケーション力を鍛えています。