大学は社会に飛翔する助走期間。東北大学工学部機械知能・航空工学科という最先端研究がかなう学びの庭で、たくさんの事に出会い、時には試行錯誤し、自分を磨き鍛えてほしい。そうした日々を重ねることが、卒業後、社会のどんなフィールドにあっても、しなやかにそして強靭に、自分自身の可能性を発揮する力になっていくのだと卒業生は語ります。

稲垣 優

※所属部署、内容は取材当時(2015年3月)のものです。

大学で培った知識・研究姿勢は、
開発者としての礎になっています。

稲垣 優 さん – YU INAGAKI

勤務先
キヤノン株式会社
イメージコミュニケーション事業本部
専 攻
機械システムデザイン工学 (現:機械機能創成専攻)
卒業年
2013年 修士課程修了
出身校
静岡県立韮山高等学校

現在、カメラの開発部門に所属し、より速くスムーズなライブビュー撮影を実現するオートフォーカスの開発に携わっています。大学での研究テーマはマイクロSOFC(固体酸化物形燃料電池)で、今の仕事とは領域が異なります。しかし、状況を分析して、課題を抽出し、仮説を立て、解決に向けていく…といった研究/開発プロセスは共通しており、大学で培った知識や経験知はとても役立っています。限られた時間の中で進めなければならない開発は、時として厳しい局面に向き合わなくてはなりませんが、自分が手掛けた技術が製品に実装され、店頭に並び、そしてユーザーに性能を実感していただけるのは開発者としての大きな喜びです。社会人3年目となり、仕事を通じた日々の充実感を感じています。大学は社会への助走期間です。しっかりと学び、自身を鍛えてほしいと思います。

齋藤 達

※所属部署、内容は取材当時(2015年3月)のものです。

大型国家プロジェクトの技術調整役
として、タフな交渉に挑んでいます。

齋藤 達 さん – TORU SAITO

勤務先
三菱重工業株式会社
飛昇体技術部 海上システム設計課
専 攻
ナノメカニクス (現:ファインメカニクス専攻)
卒業年
2009年 修士課程修了
出身校
山形県立酒田東高等学校

我が国では、弾道ミサイル防衛の日米共同開発プロジェクトが進捗中ですが、私は日本側開発企業の技術調整窓口として、要求仕様の設定やその交渉・折衝を担っています。大学では、次世代半導体として注目されるダイヤモンド半導体を研究しました。研究とは、仮説の構築→実験・検証→データをフィードバックして再評価、の繰り返しですが、実験データとの向き合い方といった技術者としての基本的姿勢を叩きこまれたことは、今の仕事に大いに生かされています。就職に際しては「航空宇宙、国家防衛、海外との仕事」の3つを譲れない条件として掲げました。就活中の学生さんとお会いすると「すごい仕事ですね」と言われることがありますが、こうした日本の“確かな未来”をつくる仕事は、工学に対する取り組みや姿勢をしっかり学んだ東北大学卒業生が担うべきだし、使命であり責務であると思っています。